風と光と
思いつきで撮影した写真と
思いついた言葉
重ねてみたら想いは描けるかな
2009年8月31日月曜日
港の塔
photo by Panasonic DMC-FX35
港を見下ろし朝日を浴びて
スチールグレイの躯体が光る
揺るぎもしない質量が
光の束を遮って
海への風を二分する
2009年8月30日日曜日
橋梁(ベイブリッジ)
photo by Panasonic DMC-FX35
空の一点指し示し
頂点目指して収束し
大きな大きな放物線を
奇跡のように吊り下げて
港を跨ぐ巨大な橋は
光と一緒に心を運ぶ
2009年8月29日土曜日
橋梁(つばさ橋)
photo by Panasonic DMC-FX35
高速道路の吊橋は
弦をぴんっと張り巡らせて
まるで楽器が鳴るように
風の爪弾く旋律を
細く長く響かせる
2009年8月28日金曜日
朝の工業地帯
photo by Panasonic DMC-FX35
工業地帯を駆け抜ける
朝日を背に受け加速する
高速道路を真っ直ぐに
空へ向かって加速する
2009年8月27日木曜日
晩夏
Panasonic DMC-FX35
変わり始めた空と雲
とうもろこしが手を伸ばす
上を掠める乾いた風が
晩夏の歌を運んでいった
2009年8月26日水曜日
人造の大地
Panasonic DMC-FX35
人造の大地は 今や草に覆われ
夜を煌々と照らす 光の塔がそびえる
人の生業というには あまりにも壮大で
恐れを知らないやり方は
もはや神の領域に近いようだ
2009年8月25日火曜日
憧憬
Panasonic DMC-FX35
そういえば
こんな色の景色の中を
歩いていた
ヒグラシの音色に包まれて
草の香りを吸い込みながら
夕暮れの青にすっかり染まって
君へ続く道を
ただ急いでいた
2009年8月24日月曜日
港湾の麒麟
photo by Panasonic DMC-FX35
生まれたばかりの太陽は
海と空との中間を
真っ直ぐ真っ直ぐやってきて
朝日となって港を照らす
港に並んだ
麒麟のような
巨大な影は光を浴びて
大きく息を吸い込んで
大地にしかと立ち尽くす
2009年8月23日日曜日
光薄羽
Panasonic DMC-FX35
空の先に風が吹き
雲の端がきらめいた
光の薄羽がひろがって
心がすいと空滑る
夕日のスペクトル
photo by Panasonic DMC-FX35
時間と色は連動し
分解された
光が巡る
色と音色は連動し
ゆっくり小夜曲
紡がれる
2009年8月22日土曜日
乳白色の輪郭に
photo by konika minolta α7-D
乳白色の輪郭に
縁取られた夜色は
空の先に広がる闇を
透かして眺めているようで
2009年8月21日金曜日
水面の夏
photo by Panasonic DMC-FX35
懐かしいような風景に
立ち止まった川岸で
印象だけで描かれた
水面に広がる夏を見る
2009年8月20日木曜日
印象の風景
photo by Panasonic DMC-FX35
並んで眺めた風景は
想い出色に染まってて
わずかに覚えていた風が
君だけここから連れ去った
2009年8月19日水曜日
夜風に乗せて
photo by Panasonic DMC-FX35
潮の香りの混じった雲が
ゆっくりゆくり流れ行く
こんな夏の夜に吹く風に
僕の心を乗せたなら
君は気付いてくれるかな
2009年8月18日火曜日
出口への加速
photo by Panasonic DMC-FX35
繰り返し繰り返し
光が通り過ぎ
絶え間ない騒音に
抑揚が付けられる
いくつもの光を追い越し
閉塞感を振り払えば
出口に向かう加速度は
臨界点を迎えてた
2009年8月17日月曜日
風が変わった
photo by Panasonic DMC-FX35
薄い光で覆われた
風がシャラらと吹き抜けて
見えない羽根にちりちりと
雲母のようなキラ飾り
羽根がようやく仕上がって
大きく広げてみたならば
ここから飛翔は始まって
身体は想いを追いかける
2009年8月16日日曜日
空を行く
photo by Panasonic DMC-FX35
空に架かった索道に
ちょこんとゴンドラひっかけて
僕らは夏の稲穂の上を
風と一緒に進んでた
小さな窓から流れ込む
緑の香りや蝉の音が
一際夏を濃縮し
かごの中に充ち満ちた
とんぼ
photo by Panasonic DMC-FX35
木漏れのキラに誘われて
夏の日差しを見上げたら
太陽色に染まり行く
トンボがついっと光から
滑り出して横切った
クロス
photo by konika minolta α7-D
月の光がクロスに広がり
風車の羽根が祈りを捧げる
並んで見上げた彼の女は
確かにここに居たはずなのに
2009年8月15日土曜日
朱のイルミネーション
photo by Panasonic DMC-FX35
夕焼け色に染まった空に
残った青のグラデーション
儚い色が心を映して
短い波長で揺らめいて
別れの時に似たような
そんな光が心に射した
2009年8月14日金曜日
月の輪光
photo by Panasonic DMC-FX35
空に広がる月の輪に
我が心は寄り添って
明るく見える夜空の中に
風に流され広がった
2009年8月13日木曜日
夜の稲穂
photo by Panasonic DMC-FX35
月の作った青空に
向かって稲穂が伸びていく
月の光を吸い込みながら
僕と一緒に佇んで
優しい風に身を委ね
葉先を少し震わせた
2009年8月12日水曜日
混色の夕暮れ
photo by Panasonic DMC-FX35
夕焼け空に立ち止まり
ぼんやり空を見上げれば
変わり続ける光と影に
儚く流れる時を見つける
空はやがて青に移ろい
夜への序章が静かに始まる
2009年8月11日火曜日
対の鉄塔①
photo by Panasonic DMC-FX35
ある意味
ここは始まりで
時はここから流れだし
ある意味
ここは終着で
風はここに留まった
2009年8月10日月曜日
夜の首都高
photo by Panasonic DMC-FX35
m
etropolisの夜を駈け
上り下りを繰り返し
右や左へ向きを変え
ビルとビルの間を抜け
て
僕の軌跡はmeteorに変わる
2009年8月9日日曜日
家路
photo by Panasonic DMC-FX35
見上げた空の薄明かり
家路を急ぐ幼い頃の
不安の色を思い出し
薄く明るい玄関の
優しい匂いを思い出す
街路樹
photo by konika minolta α7-D
TokinaAF19-35 1:3.5-4.5
流れる雲と刹那の星が
並んだ枝葉にちょいと乗り
僕の居場所を指し示す
2009年8月8日土曜日
河口近く
photo by Panasonic DMC-FX35
橋を越えてやってくる
海の香りに振り向けば
夏の光で煌めいた
風に心を奪われる
2009年8月7日金曜日
残光
photo by Panasonic DMC-FX35
もう少し
僕の居る場に
光が要るんだ
紫に
染まった時が
静かに流れる
2009年8月6日木曜日
蝉時雨
photo by Panasonic DMC-FX35
蝉の時雨を身体に浴びて
響きが心を揺さぶって
上と下との境を失い
眩惑誘う昼下がり
2009年8月5日水曜日
水路
photo by Panasonic DMC-FX35
夜の水路が光を広げ
川面の小波彩って
岸辺に囁く水音も
少しの光が移り込む
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