星の導

Photo by Panasonic DMC-FX35

水面を照らす星明り


指で辿ってみたならば


迷い続けるこの場から


進む彼方を示すだろうか

暮色

Photo by Panasonic DMC-FX35

夕日に向かって流れ行く


夕焼け雲は儚色


昔々の思い出は


きっとこんな色だろう

鋼色の空

Photo by SONY cyber-shot DSC-HX5V

夜の入り口は　雲に覆われ


不確かな色彩が　広がっていく


染まり行く　青鈍色の空は


なんだか少し　心細く見える

月光

photo by sony Cyber-shot DSC-HX5



広がる夜に立ち止まり


月の明かりを吸い込んだ


言葉にできない思いを載せた


細い吐息が水面を揺らす

羽衣

Photo by Panasonic DMC-FX35

雲の間で揺れている


光が織りなす羽衣を


この身に纏うことあれば


空の一番高みまで


漂うことも出来るだろう

光の風向き

Photo by sony Cyber-shot DSC-HX5

風は光と絡まって


緑の中を駆け抜けて


僕のことを追い越した

夏のような

Photo by sony Cyber-shot DSC-HX5

夏の風は　青くって


時の流れは　白くって


光や影が　幾重にも


空からここに　降ってくる

花

Photo by Panasonic DMC-FX35

吹き荒ぶ風が　


雨のヴェールを靡かせ


地表すれすれに　


空が広がる


何者かがびょうびょうと　


耳元で叫び続け


絶え間なく絶え間なく　


花は揺れていた

雲間

Photo by Panasonic DMC-FX35

雲の間に見えるのは

きららきららの青空と

忘れられない笑顔かな

夜の河原にて

Photo by Panasonic DMC-FX35


最後の言葉は何だっけ


最後は笑顔だったっけ


離れ続ける後ろ姿を


最後に見たのは真実だっけ

上弦の月

Photo by konika minolta α7

水面を渡る風の中

月に向かって手を伸ばす

指の先に触れる光は

冷たさだけを伝えてた

夜

photo by sony Cyber-shot DSC-HX5

変わらない景色になって

佇んでいる僕のことを

どうやら誰も

見つけられないようだ

星と月

Photo by Panasonic DMC-FX35

あの月を


見上げて


首を傾げた


白いうなじと


薄紅の頬が


未だ間近にあるようだ

流雲

Photo by Panasonic DMC-FX35




なんで一人でいるんだと


答えられない問い掛けを


風は何度も繰り返し


流れる雲や水面のように


心の欠片を揺さぶった

小径

Photo by Panasonic DMC-FX35

森の小径を駆け抜ける


風が見ていた風景は


光と緑が混じり合い


輪郭すらも滲んでる

紅雲

Photo by Panasonic DMC-FX35

人の生業包み込む


暮れ色雲と残光が


影で景色を包み込み


時の流れが留まった

夜の川面

Photo by Panasonic DMC-FX35

夜の川面がユルユルと


夏の風を寄せてきて


なんだか心のなかにある


何かがゆっくり目を覚ます

緑の風

Photo by Panasonic DMC-FX35

ざわざわ
　　　
　　　　　　　　　　ざわざわ


心の中を


　　　　　　　　　　緑の風が


駆け抜けた

幻惑の月

Photo by Panasonic DMC-FX35

輝く月に身を委ね


時の流れに身をまかせ


心の行方が見えぬまま


風が吹くのを待っている

草原

Photo by Panasonic DMC-FX35

柔らかな光と


柔らかな緑と


柔らかな風が


季節を謳う

冷たき光

Photo by Panasonic DMC-FX35



月の放った冷たい光は




同心円を描いた末に




青い影を心に映した

踏切

Photo by Panasonic DMC-FX35

真っ直ぐ伸びる軌道の果てに


望み続ける夢はあるのか

片月見

Photo by Panasonic DMC-FX35




ぼんやり浮かんだ月を見上げ


君が静かに　呟いた


片月見って　言葉の意味を


あの時どうして　問わなかったか


未だに僕は　ぼんやりと


月を見る度　涙する

濁澱

Photo by Panasonic DMC-FX35

　コンクリートで囲まれた


混濁の川は横たわり


すっかり重たくなった流れは


ゆらり光を弄ぶ

静水

Photo by Panasonic DMC-FX35


細く伸びた水田は


冷めた空気に磨かれて


僅かばかりの歪みもないまま


動かぬ時を写し込む

暮れ時色

Photo by Panasonic DMC-FX35




子供の頃に見上げたような


夕焼け色に心を染めて


どこに向かうか知らないままに


とにかく急いで行かなくちゃ

滲花

Photo by Panasonic DMC-FX35

柔らかき光が影を奪い


流れる水滴が輪郭を滲ませる


どことなく不確かな色合いは


捕らえ所のない心のようだ

淡色の夜

Photo by Panasonic DMC-FX35

淡く広がる夜空から


静々風が吹いてきて


仄かに香り始めた夏が


心を少し騒がせる

揺れる

Photo by Panasonic DMC-FX35

風に吹かれて


揺れる木立は


僕の心に


よく似ているな

夕空の琴線

Photo by Panasonic DMC-FX35


見上げた空は色づいて


僕をすっぽり包み込み


心の底に溜まった澱を


か細い指で爪弾いた