2009年9月30日水曜日

海風

Panasonic DMC-FX35

海からの風に振り向けば

遠くに過ぎていく景色

懐かしさとか切なさとかが

波間に小さくきらめいて

海岸線に漂った





2009年9月29日火曜日

海岸線の歩道橋

Panasonic DMC-FX35

海岸線の歩道橋

日差しに白く輝いて

空に浮かぶ雲よりも

夏を留めているようで

時が止まっているような


2009年9月28日月曜日

夕暮れ風車

Panasonic DMC-FX35

残光の中

風車は大きな羽を休め

来るべき

夜の青をゆっくり見上げる










2009年9月27日日曜日

彼方の風車

Panasonic DMC-FX35

広くなった景色の中に

思い出に似た色彩広がる

高くなった空の下に

青く染まった風が流れる


2009年9月26日土曜日

水辺

photo by Panasonic DMC-FX35

磨きこまれた水面が

見上げた空は儚色

木漏れの光がさらさら流れ

季節の移ろい透かしてた






2009年9月25日金曜日

風雨に震えて

photo by Panasonic DMC-FX35

夜を押さえつけようと

絶える間もなく雨が降る

嵐にすっかり覆われた

夜はぬらりと光を映し

絶える事ない雨音が

小枝をいつまで揺らしてた

2009年9月24日木曜日

二番目の月

Panasonic DMC-FX35

昼間を歩んだ朔の月が

ようやく夜空に辿り着く

望の月には足りないが

上弦までは後僅か


2009年9月23日水曜日

朝の街灯

photo by Panasonic DMC-FX35

地平を染めて朝日が昇る

青をゆっくり取り戻し

空が高さを増していく

夜を照らした街灯の

丸いガラスの内側に

朝日がするりと入り込み

存在感を失う前に

一際明るく光を放つ


2009年9月22日火曜日

干潟の夜

photo by Panasonic DMC-FX35

薄い光が漂って

薄紫に景色が染まる

絹糸のごとく細い風

指の先に絡め取り

夜の薄布織り上げる


2009年9月21日月曜日

光る丘

Panasonic DMC-FX35

ざわざわ

ざわざわ

葉の摺れる音


後ろに抜けていく風に

心が羽を広げていく


もう少し風が強くなったら

きっとここから飛び立てる

2009年9月20日日曜日

広がる光

photo by Panasonic DMC-FX35

振り返った道の彼方に

放射状の光が広がる

背中で受け止め羽根にできたら

イカロスのように天を目指そ

2009年9月19日土曜日

金色のビル

photo by Panasonic DMC-FX35

朝日を浴びた近代的な

ビルの中には人気がなくて

金の色に輝けど

太古に栄えた文明の

遺跡に通じる気配感じる

2009年9月18日金曜日

雨の街角

Panasonic DMC-FX35

雨にゆがんだ     
     街角は
知らない国の     
     風景に
感じて何だか     
     頼りなく
居場所がしかと    
     見つからない


2009年9月17日木曜日

水平線に降る朝日

photo by Panasonic DMC-FX35


水平線に降り注ぐ

朝日がなんだか神々しくて

自分がここに居ることの

奇蹟を今更感じてる

2009年9月16日水曜日

星明り

Panasonic DMC-FX35

小枝が集めた星明り

奏でる旋律聞きながら

夜をそよと抜ける風

心を何処か運び去る




2009年9月15日火曜日

photo by Panasonic DMC-FX35

ゃんしゃん しゃんしゃん音を立て

稲穂が風に 靡いてる

櫛も使わず 無造作に

くしゃりと頭を 撫でられた

子供の笑顔に 似たような

柔い光も 風に乗る




2009年9月14日月曜日

鉄条網

Panasonic DMC-FX35

行く手を塞いだ鉄条網は

静かな夜を二分して

街路の明かりに照らされながら

鈍の色に輝いた


2009年9月13日日曜日

仄かな水平線

photo by Panasonic DMC-FX35

静かな夜の入口が

潮騒に乗り広がって

空と海との境目が

曖昧になり混ざり行く

海辺の道は絶え間なく

行きかう風と交差して

静かな夜の入口を

薄く仄かに指し示す

2009年9月12日土曜日

雨に煙る橋

photo by Panasonic DMC-FX35

こんなに雨が強くては

橋がぼんやり隠されて

渡った先に確かなものが

待っているとは思えない

光の朝

Panasonic DMC-FX35

生まれたばかりの光の束は 地表に沿ってやってきて

徐々に密度が増して行き やがてこの場を包み込む

空と風と流れる雲と 移ろい続ける時までも

全てを今日に押し上げながら 光の軌跡を投げかける

2009年9月11日金曜日

夜の藍空 

Panasonic DMC-FX35

藍の夜空を横切った

光を放つ飛行機は

細い細い光の糸で

点と点を繋いでいった




2009年9月10日木曜日

儚秋桜

Panasonic DMC-FX35

夕焼け色に儚く染まった

秋の桜は風に揺れ

ことさら浮き出た存在感と

滲んでしまった輪郭が

夢で見たよな現実感を

遠くへ遠くへ運び去る


引き際

Panasonic DMC-FX35

空一面を覆った雲が     

         地表の営み映し出し

遥か彼方に浮かんだ月が     

          宇宙の仕業を映し込む

互いの光は離合して     

        少しの狭間を見繕い

奢れる者へ束の間の     

       生きる時間を許したもう


2009年9月9日水曜日

薄紫の時

Panasonic DMC-FX35

薄紫のヴェールがかかり

夜が粛々やって来る

風の香りが薄くなり

人恋しさを路傍に感じる

2009年9月8日火曜日

見上げた月空

Panasonic DMC-FX35

月は空に拡散し

儚い青に染め上げて

光は雲に集まって

銀糸の如く煌いた








横切った夏

Panasonic DMC-FX35

海へ続く一本道で

秋色重ねた青を掠めて

幾重に重なる交錯を

綾取るように進み行く


2009年9月6日日曜日

月の花

Panasonic DMC-FX35

白い白い花びらが
木漏れて砕けた月光を
吸い込み夜風に輝いて
小さな小さな妖精となる


光の道標

photo by Panasonic DMC-FX35


輝く風に照らされながら

空に近い道を行く

あまりにまぶしい光源が

進む先を照らし出し

ここを目指せと指し示す



2009年9月5日土曜日

photo by Panasonic DMC-FX35

一人で立つのは寂しいか

そびえるビルも街灯も

対の姿で寄り添って

互いに心の頼りになって

互いの姿を補完する




2009年9月4日金曜日

格子


photo by Panasonic DMC-FX35

夜が残った格子の壁を

朝日がするりと通り抜け

規則正しく組上げた

影が行方を遮った




2009年9月3日木曜日

ここまで

photo by Panasonic DMC-FX35

ここまで


ここから

言葉は対を成していて

まるで意味が違うけど

過去と未来は狭間で繋がり

現の刹那に生きている


2009年9月2日水曜日

君への橋

photo by Panasonic DMC-FX35

この橋を越えれば

風の奏でる旋律が

僅かばかり変わり行き

君に向かって吹く風と

同じ色が見えるだろう







2009年9月1日火曜日

嵐の末に

photo by Panasonic DMC-FX35

あんなに吹いた風がとまり

雨は集まり川となる

雲間を抜けて

こぼれた月が

川面の小波に同化して

さららさららとどこまでも

止め処もなく流れいく