2009年6月30日火曜日

高速道路に日は落ちて

photo by Panasonic DMC-FX35

儚い色に空染まり

切ない旋律流れ出す

このまま夜が来なければ

自分を失うこともなく

このまま日暮れのままならば

少しは我慢ができるのに


2009年6月29日月曜日

photo by Panasonic DMC-FX35

進み行くのは

時と身体

逃げているのは

心と現実

2009年6月28日日曜日

夜の道

photo by Panasonic DMC-FX35

暗き路上で立ち止まり

振り向き道を透かし見る

今いた所の意味なんか

離れてみてもわからない

いつも結局この道を

辿っているのは確かだし

時間の経過が慰めに

ならないことも確かだし


2009年6月27日土曜日

静寂の水面

photo by Panasonic DMC-FX35

静寂の水面に

触れてはいけない

ようやく保った平静に

一度波紋が広がれば

やがて嵐が水面を揺らし

心は再び収まらず


張り詰めた空気を

揺らしてはいけない

なんとか保った心の型が

一度ゆらりと揺れ動いたら

やがて嵐が大地を抜けて

心の形が崩れ行く




2009年6月26日金曜日

軌道

photo by Panasonic DMC-FX35

夕日に向かって伸びていく

天に沿った軌道の果てを

かざして見れば安息の

街が微かに揺れていた

2009年6月25日木曜日

夜の間に

photo by Panasonic DMC-FX35



僕の前に横たわる

心をなんとか救わないと

だれか

だれか

側にいて

ちょっとでいいから側にいて

大丈夫だよと微笑んで




夜の間にちらばった

心を体に戻さないと

だれか

だれか

手伝って

ちょっとでいいから手伝って

お願いだからここにいて



心の中から流れ出る

涙を何とか止めないと

だれか

だれか

抱きしめて

ちょとでいいから抱きしめて

心が少し暖まるまで





橋の向こう

photo by Panasonic DMC-FX35

あの橋を渡っているんだね

僕は見送るだけなんだよね

探すことも出来ないんだよね

待ってることも出来ないんだよね

橋の上が明るく見えて

手を取り合って離れていく

背中が小さく照らされてるよ


あの橋を渡ったんだね

僕はここにずっといるのに

叫ぶことも出来ないんだよね

追いかけることも出来ないんだよね

橋の向こうが幸せの色で

そこに向かって離れていく

背中が小さく見えてるよ


あの橋は渡れないんだね

一人の僕は近づけもしないで

決してここにいることを

見つけられちゃいけないから

僕は一人でいることが

どうしようもなく悲しくて

膝を抱えてしゃがみ込む






2009年6月24日水曜日

一人の風景

photo by Panasonic DMC-FX35

瞳は何も映さない

音は何も聞こえない

肌は風にさらされて

冷えた心と同化する

形がいきなり無くなって

終着点のその先に

想いは薄く拡散し

一人っきりの風景は

今でも涙で滲んでる

空の色

photo by Panasonic DMC-FX35

空の色が変わったね

心は変わっていないのに

風の向きも変わったね

同じ場所に居るはずなのに


2009年6月23日火曜日

曇天の風車

photo by Panasonic DMC-FX3

小さく見える風車の羽根が

水面と空を掻き混ぜて

心の中さえ掻き混ぜて

記憶の底にひっそりと

沈んだ想いが浮遊する

気泡の風景

photo by Panasonic DMC-FX35

コップの中の風景は

伸びて歪んで色滲み

視点と焦点定まらず

見知らぬ場所へと誘われ

時と光を見失う

2009年6月21日日曜日

夜の列車

photo by Panasonic DMC-FX35

ゆらりゆらりと残像のように

すぐ目の前を通り抜け

平行さえも捻じ曲げる

光と音に感じていたのは

幻惑なのか困惑なのか




2009年6月20日土曜日

薄色の空

photo by Panasonic DMC-FX35

薄く薄く広がって

淡い色に染まった雲は

心の色を映し込み

薄い青へと変わり行く







2009年6月18日木曜日

雨の夜

photo by Panasonic DMC-FX35

雨の夜

時間の経過がわからずに

空を透かして見たけれど

漠然とした遠近感に

自分の形を見失い

曖昧となった存在感が

景色の中に滲んでいく


2009年6月17日水曜日

幻惑

photo by Panasonic DMC-FX35

ビルの間を光が抜けて

びょうと風を巻き上げた

輪郭となった風景は

細部を黒く塗りつぶし

光と影を二分した


水面の列車

photo by Panasonic DMC-FX35

水面を進む列車の影は


空に浮かんだ軌道を映し


行き先表示が見えぬまま


停車場さえも見えぬまま


2009年6月16日火曜日

夜の雨

photo by Panasonic DMC-FX35

ざんざざん

ざんざん

雨の音が

耳に痛い

ざんざざんざん

ざんざざ

一人で居るのが

心に痛い

2009年6月12日金曜日

それじゃダメなんだ

photo by Panasonic DMC-FX35

大丈夫だよ
いつも見てるよ
いつだって
大好きだよ
約束するよ
いつも側で
いつまでだって
見守っているよ

耳に残る囁きは
星の瞬きのようで
流れる雲のようで

冷たいキスの想い出も
聞こえなくなった歌の名残も
忘れてしまった温もりも

みんな
みんな
散らばって

静かに
静かに
空に広がる

大丈夫だよ
いつもいるから
いつもいつも
見守っているよ














月の逆光

photo by Panasonic DMC-FX35


青い光を浴びながら

流れる雲を眺めてた

つかみ損ねた温もりを

そおっと風が運び去り

青い光の中に立つ

一人の影が際立った





漣の水面

photo by Panasonic DMC-FX35

風が吹いて

水面が揺れて

漣の上を

景色が滑り

印象のみの

絵画のように

滲んだ景色が

広がった

光束

photo by Panasonic DMC-FX35

光が尾を引き流れいく

単なる点が長々と

時間と時間を繋いでは

交わることなき軌跡を辿り

寄ってもこない現実を

理解の伝に描画する


街の川

photo by Panasonic DMC-FX35

両の岸を塗り固め

流れの止まった川面には

進む先への確信が

諦めに似て広がって




2009年6月10日水曜日

水鏡

photo by Panasonic DMC-FX35

水面に映った風景は

少しばかりの歪曲と

ふらり揺らめく不確かさ

形を変える泡沫を

時間と一緒に閉じ込めた

青のコントラスト

photo by Panasonic DMC-FX35

青に寄ったコントラストは


夕暮れ色を深め行き


もうすぐゆっくりやってくる


長い夜へと続いてる

2009年6月8日月曜日

夜の光

photo by Panasonic DMC-FX35

夜が光を集めたら

空は薄い碧となり

水面は薄い藍となり

雲は薄く広がって

乳白色に輝いて

刹那に刹那が重なって

影が輪郭際立たせ

時の流れが留まって

空気の流れが無くなって



2009年6月6日土曜日

踏み切り

photo by Panasonic DMC-FX35

金属音で行く手を遮る

赤い色の踏み切りは

夜の静寂をちょっとだけ

祭りのように彩った

夜の道

photo by Panasonic DMC-FX35
道は続いているか              
                   道標はいずこも示さず
 道は照らされているか          
             星の明かりが仄かに
 作り上げた荒野は          
       整然と放置され
 抜けていく風は         
       
        無機質な輝きを寄せる
  道は続いているか     
    闇に溶け入ること無く
  海の向こうの地まで  
 導いてくれるだろうか